レナードの朝
原題:Awakenings
おすすめ度:★★★★☆
監督:ペニー・マーシャル
キャスト:ロバート・デニーロ、ロビン・ウィリアムズ、ジュリーガウナー
今回おすすめする映画はこちら。
1950年代のNY、ブロンクス地方の精神病院に配属されたオリヴァー・サックス医師(作品ではセイヤー医師)とその患者の闘病の日々をテーマにしたノンフィクションのヒューマンドラマ。
意識障害と言われる病気とこの嗜眠性脳炎の最大の違いは、患者の体は不随意状態にあっても視覚や聴覚などの感覚は生きており、また認知しているという事である。
つまり殻の中で"生きている"状態である
内容はこうである。
30年間昏睡状態だった男レナードは、セイヤー医師のたゆまぬ努力と研究の果てに発見したパーキンソン病用の特効薬で一時的に回復する。
セイヤー博士の治療は大成功したのだ。他の患者にも適用して次々と目覚ましい効果をあげる。タイトルの名の通り"目覚めた" 患者は舞踏会やバーに出かけ、失った長い年月を取り戻そうとするのだ。
、、、が、そんな喜びも長く続かなかった。
待ち受けていたのは薬に対する耐性化だった。
一度目覚めて生きる喜びを感じたレナードだったが薬の副作用により痙攣などの徐々にもとの"眠り"に戻っていく予感を感じたレナードはセイヤー医師の為に、そして自分以外の患者のために何かできないかと、自分の症状をmedical footage(医療記録)としてビデオカメラに残す事を決める。
痙攣しつつも、自分が苦しむ姿にひたすらビデオカメラをまわさせ「学べ、学べ、学べ」と叫ぶレナードが見るに絶えない、、、
というか、ここまで迫真の演技をするデニーロが本当にすごい笑
結局は、一度は"目覚めた"患者は皆、再び深い沈黙の世界へと戻ってしまう
今まで友達というものが出来た事がなかったセイヤー医師に初めて出来た
そんな中でセイヤー医師はぽつりとつぶやく
セイヤー「君は僕を親切な人間と?
命を与えてまた奪うのが親切な事かい?」エレノア看護婦「命は与えられ、奪われるものよ。」
セイヤー「……だがつらい。」
エレノア「親切な人だからよ。そして……彼が友達だからよ。」
自分が投薬していなければ彼らは目覚めなかった
また再び眠りに落ちると分かっていたのならいっその事目覚めさせなければよかった
そんな事を彼は思ったのでしょう。
レナードにとっては目覚めたのはいい事かどうか分かりません。
それは本人に聞くべき事でしょうけど、実在する彼は1981年に亡くなっています。