2014年7月24日木曜日

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアー



ノッキン・オンザ・ヘブンズ・ドア
原題:Knockin' on Heaven's Door
監督 トーマス・ヤーン
脚本 トーマス・ヤーン 、 ティル・シュワイガー
出演:ティル・シュワイガー、ヤン・ヨーゼフ・リーファース
おすすめ度:★★★★★

今回お勧めする映画はこちら。
タイトルは直訳で「天国の扉をたたく」という、一見重そうなテーマだが、
テンポもよく、笑いありの映画で非常に見やすい映画である。




主人公は脳腫瘍のマーティン(ティル・シュヴァイガー)と末期骨髄腫のルディ(ヤン・ヨーゼフ)の二人。同じ病室でベッドを並べることになる。病室でこっそりテキーラを嗜み、レモンと塩を求めて、病院の厨房に侵入する。

そこで酔っぱらったルディは指にまぶした塩をなめ、
「いままで海を見たことがない」という。




(ドイツは遥か北の方へ行かなければ海を見る機会はない、、、)




それならば海を見に行こうぜと二人はパジャマのまま(しかも酔っぱらったまま)駐車場のベンツを盗み病院を抜け出す。


二人は最初、金集めのためにガソリンスタンドを襲い6000マルク奪っていたが、
その後、盗んだ車のトランクの中から100万マルクを見つけるのである。
というのもそのベンツはギャングの所有物だったからだ!



とてつもない大金を手にした二人の行動はあきれるほど贅沢だった。

パジャマ姿でセレクトショップへ行って高級スーツを買い、超高級スイートルームに泊まり、ルームサービスを店員の勧める通りに注文し、ホテルマンが仕事を速攻で辞めるほどのチップを支払ったり、やりたい放題。めちゃくちゃ笑
(注文のとき、ドンペリニョンをドンペリグノンと発音して注文していたのを見ていてドンペリに途中で気づけよ!とは思ったがきっとドンペリを知らないのだろう、なんせ海さえも見たことのないんだからな と思い出した。)



二人はベッドの上で、その大金を使って死ぬ前にやりたい事をノートに書き出す。

全部やっていたらきりがないし時間もないから一つにお互い絞ろうというマーティンのアイディアのもと選び出された二人のやりたい事とは。。。。。













そんなこんなで、窃盗の容疑とギャングの金を奪ったことで警察とギャングの両方に追われることになってしまい、てんやわんやなドタバタ劇も繰り広げるシーンもあるため一見コメディ映画であるかのように思ってしまうが、時折マーティンが発作を起こし死にかけるシリアスなシーンがあり彼らに残された時間は少ないことを暗示しつつ、改めてコメディ映画ではないことを示すのである。

果たして二人は、無事に最終的な目的である海を見れるのか。。。








本作を通じて、死ぬことを目前にして死ぬ前にやりたいことを追求する彼らの姿を見て

私自身、今死が目前に迫ったら今の人生に後悔なく死ねるのか?という風なことを考えさせられた。


人は何のために生きるのか?

好きな事だけをし続けて生きる事は無理だが、いつも何か目標を持って生きることが非常に大切であり、人を輝かせる。













今のこの時間を大切にすべきではないかと深く考えさせられた作品である。









非常におすすめなのでぜひ皆さんに観ていただきたい。








2014年7月19日土曜日

ゴッドファーザー




ゴッドファーザー
原題(The godfather)
オススメ度★★★★☆
出演
キャスト マーロン・ブランド = ドン・ヴィトー・コルレオーネ
アル・パチーノ = マイケル・コルレオーネ
ジェームズ・カーン = サンティノ・“ソニー”・コルレオーネ
ジョン・カザール = フレデリコ・“フレド”・コルレオーネ
ダイアン・キートン= ケイ・アダムス・コルレオーネ


1901年、家族を殺されたヴィトーはシチリア島からアメリカへ逃げる際に、入国審査で誤って故郷であるコルレオーネ村の名前を姓と登録されヴィトー・コルレオーネと名乗ることになる。

28歳になるヴィトーは18歳の頃からリトルイタリーにある食料品店にて地道に働いていたが法外なみかじめ料をとるマフィア、ドン・ファヌッチによって食料品店を追い出されるはめに。結婚して子供もいたヴィトーは家族を養うためにピータークレメンツァ、サル・テッシオなどと手を組んで様々な犯罪に手を染めていく。
表向きはオリーブオイルの会社を設立させ成功させる事業家であった。その頃会社の経営で友好関係にあった地元マフィア、ドン・トマジーノの協力もあって父と母と兄の仇であるドン・チッチオを刺殺し復讐を果たしたのだった。

この出来事もあってヴィトーは周囲から尊敬を厚め、後にコルレオーネファミリーを築き上げていく。
残忍で冷徹だが、情と絆には誰よりも厚く決して人を裏切らない。そんなヴィトーをファミリーはゴッドファーザーと呼ぶ。



ニューヨークではコルレオーネやタッタリア、サルヴァトーレマランツァーノなどをはじめとする五大マフィアの抗争が絶えなかった。
この頃、禁酒法が制定されアルカポネなども密酒造などで富と勢力を広げていたが、コルレオーネファミリーの成長はそれ以上だった。
ニューヨークを支配していたドン・マランツァーノから和平を求められたが、本人を射殺することで抗争は終結。マランツァーノの支配をヴィトーが引き継ぐ形で、一気にコルレオーネファミリーはニューヨーク最大の権威となった。






しかしソロッツォという男が持ち出した、ある一件の商談を機に本作は展開をする。
話に乗り気ではないヴィトーと乗り気のファミリーの考え方が相違している、、、
そこにつけ込んだ敵が次々とコルレオーネ家に襲いかかる
裏切り、共謀、買収が身内でもはびこり、ファミリーの結束が不安定になっていく
そんな中でファミリーを危機から救おうと長男でも次男でもなく、三男のマイケルが立ち上がる。。。。







冒頭でヴィトーコルレオーネの言っていた

"A man who doesn't spend time with his family can never be a real man."
家族を大事にしないやつは男じゃない

マフィアという枠組みを越えて、一人の男として放った台詞
自分だけを守るのではなくファミリーのボスであり従える息子を持つ父親である以上周りにも手を差し伸べ、時には矢面に立って仲間を守る責任がある
そんな覚悟なしでは人から尊敬される立派な男にはなれないということが
ストレートに心に刺さりました。




ちょっと小話。





なんと、この映画に使われた屋敷が今売りに出されているという
なんでも所有者が老齢で亡くなり290万ドル(約2億4,360万円)で売りに出されたとのこと。
ニューヨークのスタッテンアイランドにあるこの家は、マーロン・ブランド演じるヴィトー・コルレオーネの家として映画に登場し、庭は結婚式のシーンで使われたほか、食事や話し合いも実際に家の中の部屋を使って撮影がされた。
その敷地は2万4,000平方フィート(約2230平方メートル/約678坪)の広さがあり、ベッドルーム8部屋、バスルームが4つ、地下にはバーがあり、4台分のガレージとプールも完備されている。なんという豪邸。。。

かなり古びていますが、こういった永遠不朽の映画の舞台となった聖地はなんとしても将来へも残していきたいですね。

モノはモノ自体以上の価値がありますよね
例えば、昔使っていたものを久しぶりに手に取った瞬間、当時への懐かしさだったりノスタルジーを感じることができる

昔の人が亡くなって新しい人が新しい時代を作り、モノもどんどん新しくなって便利になっていく世の中でも、こういう建物は”文化財”として、ずっと残していきたいですね。


2014年7月13日日曜日

彼女はタイムトラベラー




彼女はパートタイムトラベラー

(原題:Safety Not Guaranteed) おすすめ度:★★☆☆☆
出演: オーブリー・プラザ, マーク・デュプラス, ジェイク・ジョンソン, クリステン・ベル, メアリー・リン・ライスカブ
監督: コリン・トレボロウ


シアトルマガジン社でインターンとして始めたダリアスは、先輩記者ジェフが見つけた
「過去への同行者求む」という広告の取材に同行することになる。

当初はジェフが広告主のケネスに直接会って交渉したが、ジェフの過去に戻りたい理由もただ「楽しそうだから」という軽い気持ちであることもあってケネスから敬遠されていた。


 
 


しかしダリアスには「自分のせいで母親を失った、もう一度やり直したい」という過去に戻りたい理由があった。広告主のケネスもまた恋人を失ったのは自分のせいだと思っており過去に戻りたかったのだ。そんな二人はトレーニングや衝突を繰り返すうちに、お互いに惹かれ合う。。。

最初はSFかと思われるタイトルだが最後までみてみるとラブストーリーの要素が少し大きいかなという印象だった。タイムトラベラーというタイトルなのでもっと時空を彷徨うSFの感じを全面的に出してもいいのではないかと、少し残念なものだった。


しかし私個人として好きなシーンは、好色で社交的なジェフがある失恋の衝撃からラテン系の童貞男アーナウを男に仕立て上げるまでのシーン

2014年7月2日水曜日

フリーダムライターズ





フリーダムライターズ
(原題:The Freedom Writers Diary)おすすめ度:★★★★☆
ジャンル:ヒューマンドラマ
出演:ヒラリー・スワンク、パトリック・デンプシー、スコット・グレン、イメルダ・スタウントン、エイプリル・リー・ヘルナンデス、マリオ




1994年のロス暴動直後のロサンゼルス郊外、ロングビーチ。

街では人種が対立しドラッグと暴力がはびこる。舞台となるのは、そんな地に建つウィルソン高校。かつては優秀校と言われていたものの、人種差別撤廃制度の施行によって約75%の優秀生徒が離れてしまう。

そこにやってきたのは新米教師のエリン・グルーウェルであり、ラティーノ、黒人、白人、中国人、さまざまな人種が集まるクラスをまとめることになる。

夢に希望に胸を膨らませながらやってきたものの、想像していたものとはかけ離れた常識はずれの生徒たち。ちょっとしたことで対立し、授業中に急に殴り合いの騒動になってしまう。。。


そんな生徒達は口を揃えて言う。「教室の外は戦争」であると。

いったん外に出れば、そこには人種の境界線があり肌の色が違う徒党に襲われてしまう。クラス全員が、それぞれの友人を少なくとも一人は人種差別による殺人犯罪で失っているのだ。

ある日の授業中、ラテンアメリカ系のティコ(ガブリエル・チャヴァリア)が黒人のジャマル(ディーンス・ワイアット)の似顔絵を風刺して描く。それをみたエリンはナチスのホロコースト事件を引き合いに出し生徒に真っ向から問いかけた。エリンの語るあるテーマに、生徒たちはどんどん興味を示し、知識というものに初めて積極的になっていき、次第にミスG(エリン・グルーウェル)との信頼関係を築いていく。。。
しかし一方では、何かを得る代償に大切なものを失うことにもなる。


本作は実話をもとに作られた作品である。
書くこととは、伝えること、人と繋がり合うこと、そして自分を見返すこと。
フリーダムライターズというタイトルの裏にある映画の本質とは。。。